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滋賀の旅(20)外村繁邸 [滋賀]

五個荘は、近江商人屋敷の幾つかが公開されています。

そのうち、3館をまわりました。

まず訪れたのは、作家・外村繁(とのむらしげる)邸です。
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近江商人の家に生まれ、一時、家業を継いで商人に。
その後、文学を志したため、弟に家業を託しました。
作家となってから、近江商人の世界を題材にしたものも著しています。

近くに「外村宇兵衛邸」があります。
こちらはその分家です。
4代目の外村宇兵衛の妹さんに婿養子の吉太郎を迎え、分家したのがその始まり。   
吉太郎は、宇兵衛本家の京都店に勤めて明治40年に独立。
東京の日本橋と高田馬場に木綿呉服問屋を開店し、活躍しました。
外村繁は、この家の三男として生まれました。

江戸時代(1863年)に建てられたお屋敷です。
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こちらは外村繁が執筆したところ。
座椅子に作家気分で座ってみました。
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目の前の風景はこんな感じです。
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お蔵の1階は外村繁文学館として系譜や資料が展示されています。
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エピソードで印象的だったのは、
ペンネームについて。
本名は「茂」ですが、
学生時代、「繁」と誤植されて以来、
筆名として「繁」を使うようになったとのことです。
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2階はお蔵としていろいろなものが保管されている様子でした。
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お屋敷に戻って2階へ。
周囲が見渡せます。
外から見たお蔵はこんな感じ。
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この外村繁邸でなんといっても人気なのは、
庭にいる「守護狸」でしょう。
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滋賀の信楽はタヌキの焼物で有名ですが、
こちらのお庭にはそれと違う陶器のたぬきが。
何焼かはよくわからないそうです。
大きくくり抜かれた目は、社会情勢を見渡せる人間に、
太っ腹な精神を持ち、
近江商人の家訓を身につけ他抜き(タヌキ)のごとく秀でた人になるように
との願いがこめられているそうです。
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ああ、滋賀の旅21回目にして、やっと守護狸のところまで行けました!

この家が建築されたときから、
守護狸として置かれたと伝えられています。

そして、入館時に「水屋もぜひ見てくださいね」と
声をかけていただいていたので、
今度は水屋(台所)へ。
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水屋には井戸も。
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お風呂は水屋の向かいにあります。
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館の人に説明をうかがってビックリ!
水屋の井戸の横に風呂用の水槽があり、
ここに水を入れると、お風呂に給水されるシステムになっているんだとのこと。
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確かに井戸にはこんな風呂水槽が。
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そしてお風呂の横の薪部屋をよく見ると…3425976

パイプがあります。
これが井戸の水槽とつながっています。
なんとすごいアイデアでしょう!
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こちらは外村繁邸に伝わる
「妻女心得条」。
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最後の「酒燗熱からず温(ぬる)からず 妻女勤めなり」というのは、
お酒の燗の温度のことだけではないんですね。
「何事もほどよく」ということを言っています。
うーん、うちの家訓にもしたい!

お庭に出て、1周してから館の方に「ありがとうございました!」と、ごあいさつ。
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「季節になると、花筏がきれいなんですよ」と、案内していただいた方。
花筏という植物、見たことはないんですが、どんなものかは知っています。
葉の中央に花が咲く、ちょっと変わった植物なのです。  
外村繁は、「草筏」「筏」「花筏」という「筏三部作」とも言われる小説を著しています。

「今は季節ではないんですが…。そうそう、1つだけあったと思います」。
と、先ほどの館の方が、花筏を見せてくださいました。
さすがに花の部分は枯れてしまっていましたが、
イメージは伝わりますよね。  
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写真に撮ったあと
「こんなもので良かったら、記念にどうぞ」
と、くださいました。
押し葉にして、今も取ってあります。
こちらでも、素敵で優しい、近江の方と出会いました。

●外村繁邸

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滋賀の旅(19)五個荘へ [滋賀]

旅行記が長くなっています。
とはいえ、あと数回で終わる予定です。
楽しんでいただけていたら幸いです。

さて、いよいよ最後の町、五個荘へと向かいます。

ガイドブックを見た際、JR能登川駅からバスか、
近江鉄道五個荘駅からバスかレンタサイクルという経路が紹介されていました。

塩野温泉の女将さんに相談したところ、
今はどうかわからないけれど、八日市からも結構バスが出ていたはず。
八日市はちょっと大きな町なので、バスを待つ間も喫茶店などあるからいいかもしれませんね」
ということでした。
バスの本数が少ない場合、待てるのはいいですよね。
なので近江鉄道に乗り、八日市で下車することにしました。

近江キャラ電だ~!
ということでパチッと。
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いしだみつにゃん&しまさこにゃんこ号。
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今年4月から走っているようですね。
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八日市の駅前は確かに開けていました。
バスの本数は結構あるし、
バス時刻表も置いてあります。
これを持っていくと、帰りも便利です。
15分ほどでバスが来たので、移動。
生き活き館(観光案内所)で下車しました。
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では、五個荘をめぐりましょう。

今回は、このマップで回りました。
このマップは観光案内所などでもらえます。
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寺町・鯉通りです。
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鯉発見!
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主のようなとっても大きな黒い鯉がいたのですが、
写真を撮ろうとしたらササッと逃げていきました。
動きが早い!
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広誓寺です。元禄5年(1692年)建立。
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本堂です。
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絵になる風景です。
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実はカメラの電池が少なくなってきています。
こんなに写真を撮るとはまさか思わず、
充電器を持参してこなかったのです。
激しく後悔。
備えあれば憂いなし、ですね。
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近江八幡は家屋と堀は離れていますが、
こちらは家のまわりに堀があります。
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平日の午後。
あまり人はいません。
私を見ているのは鷺だけ。
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時間がゆったりと過ぎていきます。
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今まで旅をした3つの町。
町中には高いビルはありません。
いつもより背の低い町で、ゆったり歩いていると、
日常を忘れてしまいそうになります。

新しい店がどんどんできるわけでも、
流行があるわけでもありません。

一度訪れると、また戻って歩きたくなる。
近江商人の町には、そんな魅力があります。

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滋賀の旅(18)氏郷庵かどや「蒲生氏郷まんじゅう」 [滋賀]

行きのバス運転手さんに
帰りのバス停を教えてもらいましたが、
肝心の時刻表をチェックしていませんでした。
バスは1時間に1本。
バスにはまだ時間があるので、日野承認街道を歩くことに。
まあ、20分強で駅に着くでしょう。
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途中で「氏郷庵かどや」というお菓子屋さんがあったので、何かお菓子を買おうと入ってみました。
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日野商人を生み出す基盤を作った蒲生氏郷にちなんだ
「蒲生氏郷まんじゅう」というのがあったので、こちらを買うことにしました。
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横に工場があって、お菓子作りをしています。
そちらをチラチラ眺めつつ会計をしていると、
小さな女の子がおばあさんかな?と一緒に
お茶と丁稚羊羹を「どうぞ」と持ってきてくれました。ちょっと照れているところがカワイイ。
テーブルでちょっと一休みさせていただきました。
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でっち羊羹も美味しい!
しかし、どんどん荷物が重くなってしまう~。まだ先が長いので泣く泣く断念です。

帰宅して、おまんじゅうを早速開けてみました。

蒲生氏の紋、三つ巴の焼印のある酒まんじゅうです。
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同封してあるリーフレットによると…。
氏郷は文武両道の勇将で、茶の湯を愛し、酒まんじゅうをことのほか好んだそうです。そこでこのお店では甘さをおさえたこしあんを、香り高い酒種入りの外皮で包んだおまんじゅうを作ったそうです。

一つ一つのおまんじゅうが小ぶり。洗練されたサイズです。
封を切ると、酒まんじゅう独特のいい匂いがします。
これはきっと美味しいに違いない!という予感。
口に入れてみると、優しい甘さのこしあんと、お酒の香りが溶け合っていきます。

氏郷のイメージが見事に再現されたおまんじゅうだと思います。

●氏郷庵かどや
蒲生群日野町上野田

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