SSブログ

滋賀の旅(13)日野商人の街へ [滋賀]

さて、日野を目指しましょう!
貴生川駅には近江鉄道もあるので、こちらで向かいます。

八日市行きに乗車。
3421221

切符は硬券。
3421219

近江鉄道に乗るのは初めてです。
近江鉄道は自転車を乗せたりすることのできる車両もあるんですね。
確かに自転車があるといいかも。
3421220
20分ほどで日野に到着しました。

歩いてもいいけど、25分ぐらいかかってしまうみたいです。
もう9時過ぎてるし時間がもったいないかな。
駅からバスがあるというので、バスの運転手さんに聞いて、
「日野商人街道」を走る、いちばん早く出るバスに乗りました。
乗客は私だけ。

「どこから来たの?」
「東京です。昨日近江八幡で、今日は日野と五個荘を回ろうと思って」
「今日は曇りだから、ちょっと残念だね。街を歩くなら村井本町あたりで降りられるといいと思いますよ」
長閑に話が進みます。

「帰りは戻っていって、警察署前で乗るとちょうどいいですよ。料金も少し安いし」
と降りる際、教えてもらいました。

東京で暮らしていると、笑顔もコミュニケーションもマニュアル通りということが多いです。
ファストフードやコンビニの店員がこどもに敬語を使っていたり。
数百円の買い物だけど1万円しかないので「お手数かけます」と言ったら、「ハッ?」と聞き返されました。
でも、昨日から出会ってきた皆さんは、みんな温かい。
それも押し付けがましいのではなくて、自然な温かさです。

そういえば近江八幡を歩いている際、道いっぱいに工事の車が来たので、
隅によけたら、「すみまへんな」と心をこめて言われましたのも心に残っています。

こちらの散策は、まちなか散策マップが便利です。
3413250

まず、蒲生家の菩提寺・信楽院へ。
3421222

鎌倉期から安土桃山時代にかけて、日野地方を治めたのが蒲生家です。
3421223

門の木彫りがとてもステキです。特に左右の孔雀。
(後に行った近江日野商人館の方から、ここにある竜の天井画が素晴らしいと聞きました。見に戻る時間がなかったのが残念です!)3421225
3421224
3421226

平日で、まだ早い時間なので他の旅人をまだ見かけません。
昨日よりちょっと今日は寒いかな。
ここは入れないみたいだけど…。
3421228
大根干しているところがラブリー♪
3421229

運転手さんと話したように、
今日はまさに冬といった感じの曇天からスタートです。
3421230


こちらは「新町の町並み」を代表する1軒。
日野商人街道沿いにあります。
3421233

特徴は桟敷窓というものがあることです。
この写真だとちょっとわかりやすいかな?
看板の左側の窓です。
3421460

こちらで年1度行われる「日野祭」を家に居ながら眺められる窓です。
1年に1度、お祭りのために開ける窓。
なんて贅沢なんでしょう!

現在は5月と秋の2回「桟敷窓アート」というイベントも開催されています。
今度、行ってみたい!
http://sajikimado.gozaru.jp/index.html 桟敷窓アートのサイト
マンホールは日野の柄かな?3421232

こういう格子にも弱い私です。
3421227

街を歩いていると、ある家の庭に白い犬がいました。
ちょっと顔が小さめでカワイイ。
こっちをじーっと見ています。
近寄らず、写真を撮ったら、
「ワンワンワンワン」と、すごい勢いで吠えられました。
番犬としては優秀ですが、ビックリした~。
走って逃げたら、不審ですよね。
そこで、済ました顔して、歩いて去ります。
しかし、私の姿が見えなくなっても、まだワンワンが続いています。
ちょっと…心が折れました。

すぐ後に感応館の前を通りました。
こちらは旧正野薬局。
「三方よし」の布が利いていますね。3421236

今は日野町の薬業の資料展示、喫茶コーナー・観光協会事務所があります。
3421237

後の「近江日野商人館」のところで詳しく書こうと思いますが、
日野日野商人が最初に商っていたのは日野椀というお椀でした。
その後、主力商品として加わったのが、正野薬店の創始者、正野法眼玄三が
作った「万病感應丸」です。
現在も販売されている薬なんですよ。

玄三はお百姓の家に生まれた三男坊で、丁稚奉公に出た後、
独立して日野商人として商いをしていました。
父親は早くなくなり、母親は病弱でした。
その母が原因不明の病気にかかり、
玄三は母を連れ、京都の名古屋丹水という名医に診察してもらいました。
すると、母親の病気は快方へ。
医学に目覚めた丹三は35歳で丹水先生の門に入り、
医学の勉強を始めます。
当時にしては、とてもとても遅いスタートではないでしょうか。

その後、見事医師になり、京都で開業。
後に日野に戻って、医師を続けていました。

しかし、山間、僻地の人々は医師がいないために、
病気で死んでしまうことも多い。
そこのような人々を救うには、いろいろな病に効く薬を開発すること。
そう考えた玄三が苦心の末、作り上げたのが、この薬です。

江戸時代には「神農感應丸」という名前で、主に心臓の薬でしたが、
明治になって、「万病感應丸」と変わったそうです。


このエピソードは後に訪れた近江日野商人館のスタッフの方に
お話していただいたのですが、
すごく良い話ですよね。

では、その近江日野商人館のあたりを散策しましょうか。

nice!(10)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 10

コメント 8

けったま

大根、ホントにラブリーですね
一冬分にしては少ないような気がするけど…

私は犬とにらめっこをよくします。
吠えている犬に勝つと、視線を外して吠え声も気弱になるの。
by けったま (2009-12-19 10:53) 

wattana

今年の5月に、米原から近江鉄道に乗り、
S・Sフリー切符を利用して
水口城南と近江八幡へ行く予定を計画しましたが、
都合が悪くなり、計画だけに終わりました。
この記事にある近江鉄道の電車の写真を見て、
その計画のことを思い出しました。
by wattana (2009-12-19 18:07) 

びわ

けったまさま

お寺の境内に干してあったんです。
いい風景ですよね♪
でも確かに量が微妙。

いやー、あんなに吠えられたのは久々。
カメラの眼が気に食わなかったのかもしれないです…。
by びわ (2009-12-19 18:37) 

びわ

wattanaさま

近江鉄道はうまく利用すると結構安いみたいですよね!

今回、「ウォーキング・ハイキングフリーきっぷ」というのを
利用しようかと思ったのですが、
個人旅行の場合、平日は9時から10時までに
買わないとならないのです。
なんだか2日とも時間が合わなくて断念しました…。

by びわ (2009-12-19 18:39) 

タマンテグ

切符が良いなー、旅先に切符って結構思い出に残りますよね。

門の孔雀が豪華…、相当な財力があった事が分かります。
by タマンテグ (2009-12-19 23:02) 

びわ

タマンテグさま

やっぱり硬券に鋏を入れてもらうのって、
いいですよね。
自動改札は味気ない…。

孔雀、見とれてしまうぐらいステキな彫刻でした!
by びわ (2009-12-20 18:42) 

ミルク

パチン!と切るキップいいですね。
このパチンと入る形はいろいろあるそうですね。
by ミルク (2009-12-23 14:24) 

びわ

ミルクさま

今のペナペナで、
自動改札に通すと穴がポツンと開いてくる切符は、
以前の切符を知っていると物足りないですよね。
そうそう、いろんな形ありますよね♪
by びわ (2009-12-23 22:10) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。